駒場のホタルの会 第18号 平成10年12月15日発行

 去る11月18日、駒場野ホタルの会と目黒区公園緑地課のメンバーが板橋区のホタル飼育施設を見学しました。

                             
 エコポリスセンター所長の野島氏より、環境保全や環境教育等、エコロジーの先端を行く板橋区の意気込みを語られ、環境庁による直接の予算援助やコンサルトも受けていることを話されました。次に、直接のホタル飼育担当の阿部宣男氏より、まず、人間が謙虚にホタルさんに来ていただけるような環境を作らなければならないことを力説されました。そして、緑化教育指導員の大平氏により、施設の説明を受けながら見学しました。

     

水槽の幼虫は思ったより小さく、自然に近い状態ではこの程度の成長度なのかもしれないと再認識しました。
 板橋区の施設というと、以前、施設の移動の際、ホタルの幼虫をたくさん死なせた報道があったり、東京のレジャーマップに載ったりしているところから、どちらかといえばただホタルの数を増やすことを目標としているのではないかという先入観がありましたが、実はまったくそんなことはなく、ただひたすら飼育施設を自然環境に近づけることを目標とされていました。ホタル飼育だけに専従二名と年間予算3000万円、その他のボランティアの活動があるとのことでした。
 「1989年に、福島県大熊町からゲンジボタルの卵を約300個、栃木県栗山村からヘイケボタルの卵約700個を僅かのカワニナとともに譲り受けて飼育をはじめました。順調に飼育が進み、1993年には、独立したホタル専用の施設として「ホタル飼育施設」を開設し現在に至っています。昔は板橋区内にも水田が広がり、ホタルがたくさん生息していました。しかし、開発や人々の生活様式の変化により、水辺環境は減少・変化して、ホタルは全く見られません.当施設は、ホタルや水辺環境をそのまま公開し、多くの人々にホタル等小さな生物とその生息する自然環境の大切さ、素晴らしさを理解して頂くとともに、再び板橋区にホタルを呼び戻し、自然と共生する「エコポリス板橋」の実現のために、研究・実践を続けています。」とのこと。

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